ダンナの病気のご報告をします。
写真はなく、しかも結構長いので、興味のある方のみ、お読みください。
ダンナは2年半ほど前、はじめて「パーキンソン病」の診断を受けました。
まずパーキンソン病について、私が知った基本知識を。
■パーキンソン氏病: 脳の黒質という部分からドーパミン(行動命令物質)が出なくなる。そのため体の動きに障害が出る。
なぜ発症するのかの原因は不明で、進行性の病気で、治療は症状を緩和する対処療法しかない。原因不明なため、進行を遅らせたり予防したりする薬はない。
■パーキンソン症候群: パーキンソン氏病とほぼ同じ症状だが、黒質が原因ではない。
パーキンソン氏病ならば、ドーパミンを補足すれば症状が改善するのですが、症候群にはいろんな原因があって、お薬も違えば、中には脳梗塞に近いものもあるらしい。
今回の来院の目的は、2つ。
1. 残り一つの検査を受ける。
2. 投薬治療開始の相談
パーキンソン氏病か症候群かを判断する検査
多くの場合、パーキンソンの診断は、
その症状から判断します。疑わしい症状で脳の写真に異常がなければ、投薬をしてみて、効けばパーキンソン病。効きが悪ければ症候群。ガンや成人病のような明確な検査結果には出ないのです。
しかし、なかには、ダンナが行ったS病院のように、あらゆる面から検査をして確率の高い診断をしてくれる専門病院もあります。
昨年度、10日間におよぶあらゆる検査を受け、ひとつだけ残った検査を今回、受けました。
結果
「たぶんパーキンソン氏病だけれど、症候群のうたがいもないとはいえない」
あ~~曖昧だ。
まあ、20年の経験を持つ専門医がこれだけの検査をした結果なので、これが限界なんでしょう。
たったひとつドーパミンを投薬しても、いまひとつ脳の反応が薄い、つまり、そんなには効いていないらしい。
投薬治療投薬治療の最初の処方は、経験のある専門医、それも考え方に共感できる先生と思っていました。
私の考え方:
日常生活に支障がでない程度に改善する最低量の投薬。人によって、日常生活は違います。仕事をしている人、活発にいろんな事をしたい人、細かい作業がどうしても必要な人…。
ウチのダンナはご存じのように、仕事もしてないし、細かい作業といったらご飯を食べるぐらいです。(ごめんダンナ(笑))
なので、それに必要な体の動きがあればいい。
脳の薬は怖いと思っています。
ウツ病の薬を飲んで意識が無くなった人、精神安定のためのお薬を飲んで反応の失くしてしまった人…知り合いの身内の方の話です。
ましてや、症状だけでしか判断せず、量も種類も「試してみる」ことしかできない、パーキンソン病の場合、医師の投薬治療の経験と方針は大きく結果を左右するでしょう。
今回、私の考え方も話し、先生と相談して「最低限」の処方を書いていただきました。
今、最低限の投薬治療を始めています。
今までの症状と改善状況で、どうなの?
ですよね。
最初の気づきは、友達に言われた「スローですよね」の一言。話をしてもうなずくばかりで、無表情でぼーっと椅子に座っている。何かを頼んでも、やる気がないようにチョコチョコ手を動かす、犬を抱っこすると落とす。そんなダンナにイライラしていました。
「もしかして脳梗塞?」と思い、脳のCTやMRIを受けに島の病院に。そこで「パーキンソン」と言われました。それが2年半前。
徐々に手の震えが始まり、できないことが増えていきました。床に座ると立ち上がれなくなったり、はさみが使えなくなったり。
表情も相変わらず少なく、言葉も少なく。
ある時、短パンを履くのに、10分近くかかっているダンナを見て、胸が痛くなりました。
暗い気持ちでした。
それでも投薬治療はせず、インターネットで見たムクナ豆(天然で唯一L-ドパを含む食品)のサプリと、ハリ治療とストレッチだけで過ごしました。
ムクナ豆も確かに効きました。少しですが、椅子がひけるようになったり、表情が変わったりしました。
ハリ治療は、すごく効きました!ネットで見た治療法をプリントアウトして、島の鍼灸治療院に行き、相談したのです。
頭部への鍼です。1回目、終わって出てきたら、いきなり笑顔で「気持ちよかった~」と言ってビックリしました。それから週2回通っています。
鍼灸を始めてから、表情と言葉はどんどんと活発になり、今では昔と同じぐらいに回復しています。まったく普通です。
動きも少し良くなりました。洋服の着替えに10分もかかることはなくなりました。
パーキンソンの方、ぜひ、頭部鍼治療を試してみてください。気持ちいいし副作用もありません。
投薬を始めて、さらに少し改善したような気がします。鍼治療ほどではありませんが。
椅子の立ち座りが少し早くなりました。つまづきも減ったように思います。
思ったこと私たちを支えてくれたのは、パーキンソン病患者をお身内を持つ、同級生でした。
心の支え、的確なアドバイス、病院の紹介。ほんとうに頼りになりました。
同級生がいなければ、今のこの安定した現状はなかったと思います。
心から感謝しています。本当にありがとう。
口が悪くて優しい友達にも感謝。
「病気のせいでね、不器用になっちゃってね」(私)…「え、昔から不器用じゃん」
「言葉も出にくくなったみたいなの」(私)…「え、昔から、あ、とかう、とかしか言わないじゃん」
?じゃあ、あの頃から発症してたのかなぁ(笑)
笑いにかえてくれて、ずいぶん気がまぎれました。優しい冗談ありがとう。
他にも、座敷で宴会をしたときは、低い椅子を用意してくれたり、手助けしてくれたり。なにより一緒に遊んでくれたり。
周りの人の支えがなければ、二人で落ち込むとこでした。
人はいつか老います。
老いれば病気になります。
車と同じです。
全体に弱っていくのではなく、エンジンは良くてもタイヤがだめになったり、ときにはコンピューターがダメになったりします。
あちこち、その人、その人で弱っていく部分も時期も違います。
人にはそれぞれの老い方がある。
それはその人の生き方、個性だと思います。
ダンナの病気は、ダンナらしい老い方なのかな、と考えるようになりました。
それでも幸せに毎日をおくれていることが、一番たいせつなことだと心から思います。
病気になったからといって、何がなんでも治さなくちゃいけない。
弱ったからといって、がんばって強いころにもどさなきゃいけない。とは、思いません。
適度な治療、少しの頑張りでいいのではないでしょうか。
ダンナは週2回、プールに通ってウォーキングなんかのレッスンを受け、週1回シャンソンに通い、犬の世話をし、本を読み、晩御飯の片付けをし、時には料理も作ってくれます。
毎日、な~~んの問題もありません。
「パーキンソン?それがどーした?!」
何年かたてば、また、病気は進行してできないことが増えていくでしょう。
そのときには、それで少しでも快適に暮らせるよう、考えます。できる範囲で。
ずっと家に居て、ワンコと海を見ながらすごすのがいいと思っています。
コメントいただくとうれしいです。一言コチラから
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- 2016/06/23(木) 09:14:42|
- 未分類
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| トラックバック:0
-
| コメント:8
読ませていただきました。
よくがんばってますね。
いろいろ調べて、最善を尽くしてあげていて、涙がでます。
何でもできるチャ子ちゃんは、健在ですね。
本当にすばらしいわ。
もちろん、マネできません。
- 2016/06/23(木) 19:15:17 |
- URL |
- masuda #-
- [ 編集 ]
本人がイライラしたり悲観的になったりしないので、それが一番ありがたいです。
- 2016/06/25(土) 10:13:45 |
- URL |
- kumama #-
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スマホなくして以来あなたのグログが行方不明になっていたのですが、たどり着けた。
いろいろあって、でもホントにいい関係で乗り越えつつあるんですね。
Kumamaさんとkupapaさんとわんこ達無理なく善を尽くすっていいですね。
うちも無理なく最善尽くします?
- 2016/06/26(日) 14:59:34 |
- URL |
- kimiko #-
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おおっ!久しぶりのコメント、うれしいです。
ウチは体型的にも無理なくほどよく、を心がけてますが、kimikoさんは、ぜひ!限界を超えて突っ走ってほしいと願っております。
追求するのは、お互い「楽しむ」
- 2016/06/28(火) 07:37:45 |
- URL |
- kumama #-
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陽一君の中学時代からの友人です。しばらくブログを見ていなかったので、彼が病気だとは知りませんでした。
小生、北海道で暮らしていて、会いに行くこともできませんが、お大事にと伝えてください。
- 2016/07/08(金) 17:54:07 |
- URL |
- urai yasuo #-
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